平成最初の王者・東邦 最後も優勝 エース石川が2本塁打&完封

 ◇第91回選抜高校野球大会決勝  東邦6―0習志野 (2019年4月3日 甲子園)

<東邦・習志野>平成最後のセンバツを制し、歓喜の石川(中央)ら東邦ナイン(撮影・北條 貴史) 

 決勝が行われ、東邦(愛知)が習志野(千葉)を6―0で破り、1989年以来30年ぶり、センバツでは単独最多となる5度目の優勝を飾った。エースの石川昂弥投手(3年)が初回の中越え先制2ランを含む2本塁打、投げては3安打完封。春夏通じて「2本塁打&完封」は史上初の快挙となった。平成最初の王者が平成最後の大会を優勝で飾った。

 力強く右拳を突き上げた。マウンドにできた歓喜の輪。全力で駆け寄るナインの中心に石川がいた。

 「甲子園での優勝をずっと目標にやってきた。それが達成でき、本当にうれしい」

 独り舞台だった。初回1死一塁、習志野の先発左腕・山内のスライダーをバックスクリーン右へ運ぶ先制2ラン。森田泰弘監督から「今日はおまえが打って投げて勝ってこい」と言われ、3―0の5回2死二塁では、救援した飯塚のスライダーを右中間席へ運んだ。

 「5点差が一つの区切りと思っていた。2本目のホームランで自分が楽になった」

 投げても3回途中から右腕をわずかに下げて制球のズレを修正。3安打で二塁をも踏ませなかった。打者28人斬りは決勝戦史上最少で、試合時間1時間30分は記録が残っていない1953年を除き決勝戦最短。2本塁打&完封勝利は春夏通じて史上初という快挙でチームを単独最多の5度目の頂点に導いた。

 今秋のドラフト候補としてプロも注目する石川は、学校は通学圏内だったが、練習時間確保のため、1年時の5月から森田監督の順子夫人(40)が経営する焼き肉店の上階に下宿を始めた。昨年12月、監督が腎臓移植手術を受ける直前、順子夫人に「(体力的に)夏まで持たないかもしれない。必ず春、勝ってください」と頭を下げられた。両親ともに東邦出身で、父・尋貴さん(47)は平成元年の優勝メンバーだったが、監督の人柄が好きで入学を決めた。「監督と優勝したい」との約束通り、きょう4日に60歳の誕生日を迎える恩師を男にした。

 平成最初の王者が平成最後も優勝。時代は「令和」へ移る。「夏に優勝するために一からやり直す。優勝は過去のことで、しっかり東邦の野球をやっていきたい」。エースで3番で主将の大黒柱は、全国で1校だけ権利を持つ、時代をまたいだ連覇に挑む。 (桜井 克也)